予定外の週末

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「すみません、部長。少し起きれますか? この薬飲んでください。飲んだら今より少し楽になると思いますので」 部長の頭の下にそっと手を入れて、ゆっくりと上体を起こす。部長は苦しそうな表情で眉間に皺を寄せてうっすらと目を開けた。 「あ……、白石か……」 「何も話さなくていいですから、とにかくこの薬飲んでください。口の中に入れますよ」 片手で部長の身体を支えながら、反対の手で口の中に薬を入れる。 「これお水です。お水飲んでください」 ペットボトルの水を口元に持っていくと、自分でそれを持ってゴクッ、ゴクッとふた口ほど飲んだ。 とりあえず薬を飲んでくれたことに安心して、ほっと息を吐く。そのままゆっくりと頭を枕の上にのせると、部長は静かに目を閉じて眠り始めた。 「ここで寝ちゃうか……。身体が辛いから動けないんだろうな。でもこのままここで寝てたら寒いだろうし」 幸いにもふわふわのラグの上だからまだいいけれど、何か上にかけるものが必要だ。だけど勝手に部長の寝室に入って布団を持ってくるわけにもいかない。 私の部屋から毛布とお布団持ってくる? 勝手なことするよりその方がいいよね? 私は眠り始めたばかりの部長を起こさないようにそっと立ち上がり、一度自分の部屋へ戻ることにした。
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