予定外の週末

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「まあ部長ならすぐに彼女ができちゃうよね。あーあ、新しい彼女ができる前に私で練習してくれたらよかったのにな。そしたら私も誰かと付き合うにしても少しは自信が持てそうな気がするのに……」 この一週間、部長にとんでもない発言をしたことに対してどうやって謝ろうかということばかり考えていたというのに、27歳まで男性経験がないっていう自信のなさからどうしても焦りというもの出てきて、まだそんな風に考えてしまう。 「あー、何言ってんだろ、私。とりあえず部長にはちゃんと謝らなきゃ」 おでこにのせていたタオルを手にとり、冷たい水で濡らしてもう一度おでこにのせる。 手のひらで部長の頬に触れるとまだ頬は熱かった。 「まだほっぺは熱いな。こんなに早く熱が下がるわけないか。このままの状態にして帰るのも心配だし。かといって勝手に部長のお家に長くいるのも申し訳ないし」 眠っている部長の顔を見ながら考える。 目が覚めたところで、こんなに熱があれば立ち上がるのも辛いだろう。ペットボトルのお水はテーブルに置いてあるけれど、もう少し熱が下がったのを見届けてから帰る方がいいかもしれない。 それにもし熱が下がらなければ、明日病院に行くように言った方がいい。 近くの内科だと私も行ったことがある駅前のクリニックがあるけど、他にもあるのかな? 暇だし一応調べておこっか。 私は紙袋からスマホを出して、病院の検索を始めた。
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