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置いてある物はあまり興味は無いが、青い光を出す機械にだけは少しだけ興味を抱く。
不思議な落ち着く色に、焦っていた気持ちが次第に落ち着いていった。
「まぁ、座れ」
椅子を引っ張り出してきたハイドに甘えて、置かれた椅子にゆっくり腰掛ける。
ジキルの目の前に同じような椅子を持ってきたかと思えば、大きく溜息を吐いたハイドが勢いよく座った。
「昨日今日と、色々起こりすぎた。流石の私も疲れたよ。このまま落ち着いて軽く寝たい所だが、君はそんな場合ではないようだな」
険しい顔をしていたのか、指で眉間を小突かれる。
ハハハと高笑いしているのを無視して、頭の整理をしようと口を開いた。
「知ってる事、全部教えてくれよ」
「教えると言っても、殆どは君の知ってる通りだぞ?」
「それでもいい、一回状況整理したいし」
軽く空を仰いでから、ハイドは過去をなぞらえるように話し始める。
「私達は、3年前の事故がキッカケで全てが変わった。君が家族を失い、私の元に転がり込んできたあの日だ」
「母さんと父さんが死んだ、でも俺は何故死んだのか覚えていない」
「そこが重要なんだよ」
重い話をするのかと思えば、顔は満面の笑みだった。
何故そう楽しげに語るのか、3年生活を共にしてもその感性は理解できずにいる。
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