1- 忘レモノ

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一人になった老婦は、肩にかけられたコートをそっと握りしめた。 「……これが忘れものなのかしら……**ちゃん」 目を閉じてそっと呟いたその言葉は、誰に聞かれることもなく。 その姿は次第に輪郭が薄れていき、宙に溶けるように消えていった。
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