1話:鳥居の先

1/2
前へ
/15ページ
次へ

1話:鳥居の先

 俺は小学生の頃、5日間程行方不明になっていたらしい。気づいたら神社の境内で寝ていたんだと。  親は泣いてるし、人生初の救急車には乗るし、警官が事情聴取に来るしで俺はテンパって泣いた記憶がある。なんせ小学校低学年の話だ。  小さな町でそれなりに事件になっていて、事件当時は『神隠しだ!』なんて騒ぎになったっけ。  まぁ、その後は何もない。そして俺は未だに、この5日間の記憶がないままだ。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

171人が本棚に入れています
本棚に追加