昼、商店街

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「悩みなんてそんなもんですよ。僕ははみ出し者です。いつ、安定した暮らしが出来なくなるか、ビクビクしてるんですよ」 「はみ出し者?」 「ええ、社会のために頑張らないはみ出し者です」 「自分のために頑張っちゃいけないの?」  ミユキの問いかけを、店員は答えなかった。答えられなかったのかも知れない。丁度鍋が吹きこぼれて、そっちに気をとられただけだったのかも知れない。くつくつと玉ねぎとかぼちゃがほろほろ溶ける。あと少しでスープの完成だ。
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