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「お兄さんはさ、なんでスープ屋さんなんて始めたの?」
「話せば長くなりますよぉ」
おたまでスープを二度三度掬って、ミユキの前に置かれたマグカップに注いでいく。早く飲みたい! ミユキが目を輝かせて思わず手を伸ばすと、店員が手を出して制止する。お預けをくらった犬のように、しょんぼりすると、店員は戸棚から何種類かの小瓶を取り出す。
「いつものだ」
ぽろりとミユキが零すと、店員はいたずらっぽく笑う。
「直伝のスパイスです」
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