昼、商店街

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 木製のさじをミユキに渡して、召し上がれと促す。  そ、と表面に割り入れたさじに、みるみるくぼみに溜まったスープははやく食べてと言わんばかりにふるふると揺れていた。 「ん~! おいしい! 毎日飲みたいくらいっ」 「何よりです」  ミユキの反応に満足そうに笑う店員。自分の作った料理を褒められるのは誰でも嬉しいものだ。 「作るのはすごい時間掛かるのに、飲んじゃうのはあっという間なんだね」 「それがスープの魅力なんですよ」  使い終わったミルクパンからかぼちゃ達の残骸を丁寧に取り出して、タッパに詰めていく。
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