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何だ、こいつは。
気味が悪い。
これまで出会った事のないような人間で。
少なからずあたしは動揺してしまう。
「する訳ないから。」
そう冷たく吐き捨てて、あたしはすぐ様この場から消える。
尻目に見たあの男はどうやら追いかけてくる様子はなかったけれど、何故か胸騒ぎがしてやまない。
関わらなければ、良いだけだ。
転移する最中そう結論付けて、あたしは次の瞬間に視界に入るその姿にとびきりの笑顔を見せた。
「久しいね、シャルドン。元気にしてた?」
「何故お前がここにいる。」
童顔のくせに、そんな睨みつけても全く怖くない。
そもそもお前ではあたしに敵わないのに、よく恐れもせずにそう振る舞えるね。
「死んだと思った?残念。この通り、完璧さ。」
「あの日、確かにお前の命は奪った筈だ。」
馬鹿だね。
その馬鹿さに笑いが止まらない。
「奪えてないからここにいるのが分からない?あたしの魔力は奪えたが、命は奪えなかった。それだけだ。」
礼拝堂での、あたしを目にしたお前の顔。
傑作だったよ。
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