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あたしは長机に腰を掛けて、嘲笑うかのような声を出す。
「こうやってわざわざ来てやったんだ。あの日の続きをしようじゃないか。」
「何を馬鹿な、」
「礼拝堂で暴れても良かったんだ。それをしなかったのは、分かるな?」
ゆるりと目を細めて、あたしはシャルドンの歪むその顔を目にする。
「アルメリア様は、お前など相手にしない。」
「そうなれば、この校内にいる人間は塵となるだけだ。」
冗談なんかではない事は、分かっているだろう。
シャルドンは、あたしがどういう人間なのか知っているからね。
益々歪んでいくその顔を目にしながら、あたしはわざとらしく手を軽く上げて。
そうして、くるくると指先を回して見せる。
「ああ、もしかして見せしめが必要かな?」
シャルドンの目が見開かれて、あたしはにやりと笑う。
そのまま、魔力を込めて指先をくるりと動かそうとした時。
「やめなさい。」
透き通ったその声。
忘れもしない。
その日の光に照らされて輝く髪も瞳も。
一度も忘れた事はなかったよ。
「やぁ、待っていたよ。アルメリア。」
あたしは、ふわりとこれ以上ない笑みを浮かべてそう口にした。
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