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長い髪を靡かせて、アルメリアは現れた。
あたしを真っ直ぐとその金色の瞳で見つめてくる。
「あんまり、驚いていないみたいだね。」
あたしはそう口にして、指先に込めていた魔力を消した。
「貴女が生きている事は知っていたもの。」
「へぇ、それは知らなかった。それはシャルドンも驚いたんじゃない?」
あたしはわざとらしくそう口にするけれど。
知っていたさ、そんな事は。
アルメリアがそんな事を見落とす筈はない。
シャルドンをはじめ、他の奴等を騙してまであたしを生かした。
その理由は、いくら考えようとも分からない。
だから、こうやってわざわざここに来たんだ。
「どうしてあたしを殺さなかった。」
あたしは浮かべていた笑みを消して、低い声でそうアルメリアに尋ねる。
けれど、アルメリアはくすりと小さく笑みを溢していて。
「気になるの?貴女にもまだ人間らしい所は残っていたのね。」
「何を。あたしは何も変わらない。変わったのは、お前だよ。」
ある時までは、あたしもお前も同じ道を歩いていた。
それがいつの日にか、道は別れ、お前はあたしと袂を判ったのだ。
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