第一章 始まりの日

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長い髪を靡かせて、アルメリアは現れた。 あたしを真っ直ぐとその金色の瞳で見つめてくる。 「あんまり、驚いていないみたいだね。」 あたしはそう口にして、指先に込めていた魔力を消した。 「貴女が生きている事は知っていたもの。」 「へぇ、それは知らなかった。それはシャルドンも驚いたんじゃない?」 あたしはわざとらしくそう口にするけれど。 知っていたさ、そんな事は。 アルメリアがそんな事を見落とす筈はない。 シャルドンをはじめ、他の奴等を騙してまであたしを生かした。 その理由は、いくら考えようとも分からない。 だから、こうやってわざわざここに来たんだ。 「どうしてあたしを殺さなかった。」 あたしは浮かべていた笑みを消して、低い声でそうアルメリアに尋ねる。 けれど、アルメリアはくすりと小さく笑みを溢していて。 「気になるの?貴女にもまだ人間らしい所は残っていたのね。」 「何を。あたしは何も変わらない。変わったのは、お前だよ。」 ある時までは、あたしもお前も同じ道を歩いていた。 それがいつの日にか、道は別れ、お前はあたしと袂を判ったのだ。
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