第一章 始まりの日

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けれど、アルメリアは首を振る。 「いいえ。貴女が変わったの。」 あたしはそんな様子を見て、小さく溜め息を吐く。 平行線になるのは目に見えていて、無駄でしかない。 「もういい。さっさと答えて。」 「それがそんなに知りたいの?」 何故そう頑なに口を閉ざそうとする。 苛立ちを感じ、すると講義室の窓が割れていく。 バリバリッと。 あたしの圧に耐えきれなくなったのだ。 ひゅるりと外から風が入り込んで、その冷気が肌に触れる。 「答えろと言っているのが分からないの?」 このまま、建物一つぶっ飛ばしてやろうか。 あたしはそんな風に脅してみせるけれど、アルメリアの目は変わらない。 あれは、絶対に答えない。 あたしが例え何をしようとも、だ。 それを感じ取って、あたしは仕方なく溢れ出させた魔力を収める。 すると、アルメリアがそこでビーシュとあたしの名を呼んで続けた。 「貴女、ここに入学したんでしょう?ここで過ごせば分かるかもしれないわ。」 「はっ、何言ってんの。そんなのは、あんた達の驚いた顔を拝んでやろうと思ってやった事だ。本気でする訳ないから。」 そんな馬鹿げた事を言い出すアルメリアを鼻で笑う。
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