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「貴女が知らない事。きっと知れるわ。」
何を言っているんだ。
そんなもの、ある訳ないだろう。
大魔法使いと言われるあたしが?
同じ大魔法使いのあんたなら分かるだろ、そんな事。
万物を理解してこの地位を手に入れたんだ。
今更何を知らぬという。
「戯言を。話す気がないなら良い。それなら、早くあの日の続きをしようじゃないか。」
あたしは腰を上げて、アルメリアへと向き直る。
シャルドンはハラハラとした顔でこちらの様子を見て。
アルメリアは余裕そうにあたしに笑みを向ける。
「私を殺してしまえば、貴女は一生私が貴女を生かした理由を知らないままね。大魔法使いとあろうものが、無知の存在を許せるのかしら。」
ぴきっ、と。
あたしの眉間に皺が寄る。
「そんなもの、お前を殺した後でも分かるだろ。」
「いいえ。絶対に分からないわ。」
ぴきぴきっ、と。
どんどん皺は深くなっていく。
いいさ。
そこまで断言するんだ。
「なら、見つけてみせるさ。ここで過ごせば分かるのだろう?お前が話さないその理由を見つけて、お前を殺してやるよ。」
「ええ、出来るものならね。」
こうして、あたしのおかしな学園生活の幕が開けた。
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