第一章 始まりの日

14/14
前へ
/359ページ
次へ
「貴女が知らない事。きっと知れるわ。」 何を言っているんだ。 そんなもの、ある訳ないだろう。 大魔法使いと言われるあたしが? 同じ大魔法使いのあんたなら分かるだろ、そんな事。 万物を理解してこの地位を手に入れたんだ。 今更何を知らぬという。 「戯言を。話す気がないなら良い。それなら、早くあの日の続きをしようじゃないか。」 あたしは腰を上げて、アルメリアへと向き直る。 シャルドンはハラハラとした顔でこちらの様子を見て。 アルメリアは余裕そうにあたしに笑みを向ける。 「私を殺してしまえば、貴女は一生私が貴女を生かした理由を知らないままね。大魔法使いとあろうものが、無知の存在を許せるのかしら。」 ぴきっ、と。 あたしの眉間に皺が寄る。 「そんなもの、お前を殺した後でも分かるだろ。」 「いいえ。絶対に分からないわ。」 ぴきぴきっ、と。 どんどん皺は深くなっていく。 いいさ。 そこまで断言するんだ。 「なら、見つけてみせるさ。ここで過ごせば分かるのだろう?お前が話さないその理由を見つけて、お前を殺してやるよ。」 「ええ、出来るものならね。」 こうして、あたしのおかしな学園生活の幕が開けた。
/359ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加