第一章 始まりの日

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空を抜け、雲を抜け、山を抜け。 すたり、と足を着けた先はどこかの森。 右を見ても、左を見ても同じ景色。 何、考えなしにここに来たわけじゃない。 あたしは、ここに来るべくして来たのだ。 纏っていた衣を変えて、足を踏み出す。 目に映るこの景色は、幻だ。 刻まれた魔法陣の間を縫っていけば。 ほら、まるで森の中にいたのが嘘のような光景だ。 世界が一変したかのように、道は綺麗に舗装されている。 そうして続くその先は高く塔のようなそびえる建造物。 「さて、どんな顔をするんだろうか。まさかこのあたしが生徒として入学してくるとはちっとも思っていないだろうね。」 あの日、あたしは死んだと思っているんだからな。 ああ、そうとも。 あたしの魔力はあの日に消え失せた。 死んだも、同然だった。 けれど、ようやく。 やっとこの長年の月日を経て、失った魔力は元に戻った。 あたしを殺さなかった事、後悔させてやる。 この屈辱を、存分に味合わせてね。 「覚悟しろ。アルメリア・リスナハル・オプティア。」
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