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そう、声が聞こえた。
周りには聞こえていないだろう。
あたしの精神に、語りかけてきている。
そんな魔法が使えるとは、案外骨のある者もいるようだ。
「聞こえてるでしょ?教えてよ。」
でも、あたしには答える義理などない。
無視を決め込んでいれば、往生際悪くあたしに尋ね続ける。
「ねえ。名前教えてって。」
ぎゃんぎゃんこうも騒がれると煩くて敵わない。
この場から立ち去れないから余計に。
黙らせても良いが、こんな奴にあたしの魔力を少しでも消費するのは気に食わない。
けれど、この騒音と比較してどちらがマシかというと考えるまでもない。
仕方なしに、あたしは指先を軽く動かしてこの声の持ち主を黙らせる。
やっと静かになった。
あたしは目を閉じて、会合の解散の合図を待つ。
そうしていると。
「第三講義室。」
先程の声とは違う声があたしの脳に届いて。
その声に、あたしは笑みを浮かべずにはいられなかった。
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