第1小節:はじまりのうた

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翔「〜〜♪」 翔は音楽器具に囲まれた一室で ギターを弾きながら、鼻唄をし その音声を採っている。 ギター、ピアノ、ベースにドラム、3台のパソコンに囲まれているこの環境は、曲作りには何一つ不自由しない。 この環境は、翔が宗介からの振込で揃えたものであり このマンションの最上階の一部屋も、その一つである。 ここに居続けられるためにも、翔は曲を作り続けないといけない。 ー19時間後ー 翔「………できた。」 翔はデータをCDにまとめ終え 創作室から出て、リビングのソファに寝転がる。 翔「………脳が疲れる。」 夕紀「大丈夫?」 翔「うおおおっ!!!?」 突然声を掛けられた翔は、ソファから飛び起きる。 翔「えっ? えっ、ゆ、夕紀? 何で!?」 夕紀「えっ、だって、翔に渡した鍵… あれ、私のアパートの鍵だもん。笑」 夕紀はポケットから翔のアパートの鍵を取り出してウインクをした。 翔「……ったく。 かーえーせーよっ!」 夕紀「おっと。笑」 翔は夕紀の持っている鍵を取ろうとしたが、夕紀がそれを躱す。 夕紀「それにしても、ご飯まだでしょ? まだ夕方だけど、早めに食べに行っちゃう?」 翔「……いや、寝る。」 夕紀「……いや、食べよ。」 翔が再び寝転がろうとするのを、腕を掴んで無理やり起こす夕紀。 翔「ちょっと、俺は「分かってるよ。だから栄養取ろおって。」 翔の言い訳を遮って、夕紀は強引に翔を立たせる。
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