第1小節:はじまりのうた

12/16
前へ
/16ページ
次へ
優香「〜〜〜♪」 優香は気持ちよさそうに、楽しそうに歌う。 翔(どうして……) 翔は頭の中で整理がつかなくなっていた。 自分が作った音なのに。 自分が書いた詩なのに。 自分が生んだ曲なのに。 翔(こんなにも……心躍るのは…) そんなことを考えていると、優香は曲を歌い終えた。 優香「……どうですか?笑」 翔「えっ? …あっ……うん。良かった。」 突然の問いに、そのまま素直に答えた翔。 その翔の答えにパァーッと笑顔になる優香。 優香「良かったです! やっぱり私、金の卵かも〜。なんてね。笑」 優香はべっと舌を出して ギターを元へ戻そうとする。 翔「ごめん!ちょっと待って!」 それを静止に、翔はピアノの前に立つ。 優香「えっ、えっ!? もしかして…一緒に演奏してくれるんですか!!?笑」 翔「…さっきの曲。 もう1回やってみない?」 翔は自分の提案を口に出して、自分でも驚いた。 宗介の下で、曲作りをして初めてだった。 自分が作った曲をもう一度聴きたいと。 そして自分も混ざりたいと思っているなんて。 優香(嘘…… あの二宮 翔と一緒に演奏できるなんて!!) 優香は今まで尊敬の対象でしかなかった存在と、今共に歌えることに目を輝かせていた。 優香「じゃあ…いっきまーーーす!!! 〜〜〜♪」 優香が歌い始めるのに、合わせてピアノを弾く翔。 翔は不思議と今まで感じていた痛みなどなく、笑顔で楽しそうにピアノを弾いては 時には共に口ずさんでいた。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加