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第1小節:はじまりのうた
翔「できたよ、お頭。」
作曲家、二宮 翔(ニノミヤ ショウ)は
音源が入ったCDを
音楽事務所、《恋風(コイカゼ)》のオーナー
灰塚 宗介(ハイヅカ ソウスケ)へと渡す。
宗介「おお。予定よりも1日早かったじゃねぇの。
ふざけた出来じゃ…って、お前にその質問はいらねぇか。」
宗介はタバコに火をつけながら、雑にCDを受け取る。
翔「次は?」
宗介「今、流行りのアイドルグループから話が来てる。
確か、女子高生の片想い模様を…みたいな曲だったか。」
翔「期限は?」
宗介「明後日。笑」
宗介は意地悪そうに笑いながら、答える。
それもそのはず。土台無理な話だ。
テーマを聞かされただけで、2日後までに曲を仕上げるなどとは。
しかし…
翔「分かった。」
翔は宗介のいる、プロデューサー室から
出ていこうとする。
宗介「いけんのか?」
宗介はタバコの燃え滓を灰皿へ落としながら、聞く。
翔「金さえくれれば。」
宗介「いつも全額渡してんだろ?」
翔はその発言を聞いて、手にかけたドアノブを掴んだまま、宗介を見る。
翔「ミリオン達成して、送金されたの5万円なんですけど。」
宗介「んあ?そうだったか?
何かの間違えだろ?笑」
翔「…もういいよ。」
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