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「こんばんは~!雅人です」
・・・・・・・
あれっ?お母さん聞こえない?
「は~い!」
慌てて私が玄関に行った。
「すみません、お邪魔しちゃっていいんですか?」雅人君は申し訳なさそうに言っている。
「どうぞ、母と二人より楽しいし」
あれっ?私何言ってるんだろ?
「それに何か話があるって…」と続けた。
「あ~、あの話し進んだのかな?」
雅人君は話の内容の予想がついたらしく、少し楽しそうにスリッパをはいていた。
「おでんにしたのよ」
母が嬉しそうに食卓の用意をしている。
「雅人君、ビール飲む?」
「いえ、明日仕事早番なんで」
「そっか、じゃあご飯ね、炊き込みご飯にしたの」母の忙しないスリッパの音が台所に消えて行く。
「炊き込みご飯まで?」雅人君は恐縮しているのか頭をかきかき申し訳なさそうな顔をしていたので、私が説明をした。
「家はおでんはおかずかつまみか論争があって、だからおでんの時は味が付いてる炊き込みご飯てなってるの。だから気にしないで」
あれっ?私なんでこんなに優しいんだ?
「いただきま~す!」
「うまっ!」「おいし!」
私と雅人君が同時に言ったのを見て母は嬉しそうに笑った。
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