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「雅人君、先に片付けてから話すからお茶飲んで待ってて」と母が雅人君にお茶を出している。
私は母が食器を洗ってる間にガスコンロを拭き、洗い終わった流しを軽くスポンジ掛けをして水滴を全て拭きとった。それを見ながら母は不思議そうに
「久美は何で水回りだけは綺麗に出来るの?」
「私、嫌なんだよ水回り汚いの」
「あっ!久美ってさ、もしかして掃除が嫌いなんじゃなくて整理整頓が嫌いなんじゃない?」母が凄い事に気付いたと言わんばかりの勢いで言っている。
「ちゃうちゃう!だって私、掃除機見るとゾッとするもん!」
「ぷっ!」
「へっ?」私は慌てて台所の入り口を見た。
「嫌だ!雅人君聞いてたの?誰にも言わないでよ、彼氏出来なくなっちゃうから!」
「彼氏、いないんですか」
「いたら、年末年始にこんな所にいないっしょ!あっ!」母を恐る恐る見た。
母がちょっとムッとした顔で「こんな所で、お話し始めますよ!」と言って何やらロール紙を持ってリビングに向かった。私と雅人君はお互い肘でつつきながら母の後を付いて行った。
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