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小学校5年の時
町中に衝撃が走った…。
地方銀行の支店前、沢山のテレビカメラ、空にはヘリコプター。
この銀行の女子行員が多額の横領をしていた事が発覚、どのワイドショーでもその話しで持ちきりだった。
その女子行員は雅人君の母親だった。
雅人君の父は飲み屋の女と知らぬ間この地を離れ行方不明。母は真面目に銀行で働いていたが付き合い出した彼氏に善悪の区別もつかぬほど夢中になり雅人は放ったらかし、挙げ句男のいいなりになり犯行に及んだだらしい。
他に身寄りのない雅人君は施設に入る為、転校して行った。
母は私達が小さい頃から雅人君のお母さんと仲が良かった。変わって行く友人を心配しながら、放っておかれている雅人君をたまに我が家に呼び食事を一緒にしていた時もあった。
母は雅人君が施設に入るとなった時「雅人君、ごめんね何もしてあげられなくて」と言いながら泣いているのを覚えている。
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