癒しにスパイス

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祖母を病気で亡くしたあと、喫茶店を始めた祖父。元々は高校で化学を教える教師であった。 定年後に祖母と喫茶店を開こうと計画していた矢先、祖母が亡くなった。祖父は祖母との計画通り、喫茶店を始めたのだった。 そんな大事な喫茶店を祖父が亡くなったとき、自分が継ぎたいと実千果は申し出た。 親戚はどっちでもいいような感じであったが、実千果の親は猛反対した。 実千果の父親は、工務店を経営している。実千果は長女で下に弟と妹がいるのだが、父親は実千果についでほしいと考えていた。 実千果は実際、大学でも住環境デザインの勉強をしており、漠然と後を継ぐことになるかもしれないと考えていた。 しかし突然祖父が亡くなり、大きく考えが変わったのだ。親の条件の大学卒業を終えてから周りの説得や、コーヒーについての勉強をしての、やっとのスタートであった。 そして五年が経ち、経営もようやく安定してきた。 実千果は、もうすぐ三十歳になる。
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