【 第1話: ダメダメな私 】

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【 第1話: ダメダメな私 】

 それは、ある日突然だった……。  それまで『恋愛小説』しか書いて来なかった、超凡人の無能な私に、その『無理難題(むりなんだい)』は降りかかってきたのだ……。 「お前の書く小説ってさ、年齢層低め(小学生~高校生)の『』ばっかだよね。もっと視野を広げて、色々なジャンルを書いて、ストーリー展開や文章表現力を学んだ方がいいぞ」 「えっ? お、『お子ちゃまラブ』……? ですか……?」 「ああ、お前の書く恋愛小説は、『ピュアラブ』じゃなくて、まるで『お子ちゃまラブ』だからな」  そう私に言い放ったのは、私が小説の師匠として尊敬している『小説先輩(しょうせつせんぱい)』(ここでの仮名)だ。  小説先輩は、小さい頃からとんでもない量の小説を読んでいる人で、ある年代で全国1位の成績を取った、とてつもない頭脳を持つ、今までの私とは無縁だった、いわゆる『』という部類の人だ。  超凡人の無能な私にとっては、こんなズバ抜けた頭脳を持った『スーパーコンピューター』を手放す理由なんて、どこにもない……。  私は、幸運にもそんな『スパコン』と出会ってしまったのだ。  小説先輩に出会うまでの私は、今思うと本当に(ひど)かった……。  小説先輩に言われるまで気付かなかったが、こんな有様だったのだ……。 【小説先輩から指摘された私の小説】 ・年齢層低め(小学生~高校生くらいまで)の恋愛小説オンリー。  ※小説先輩の言う『お子ちゃまラブ』というやつだ。 ・主人公が、全て若年層の女の子ばかり。  ※「他が書けないだろ」と、ショッキングな発言も……。 ・内容がワンパターン。文章表現が幼稚……。  ※「もっと視野を広げて学んだ方がいい」というご指摘……。  私の書く小説は、エブリスタさんでは、とても見せられないような『恥ずかしい小説』ばかりだったのだ……。  (まあ、今でもそうだけど……(*ˊ˘ˋ*;))  だから、私は『小説先輩』を師匠として、小説というものをもう一度、一から学び始めることにしたという訳だ。  これは、そんな無能な私が、ある日突然、『』に挑戦することになってしまった全記録(実話)である。
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