『死霊の盆踊り』の恐怖

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『死霊の盆踊り』の恐怖

ということで映画エッセイ流れ第2弾は「死霊の盆踊り」です。 大半の人には「何それ!?」って感じだろうけどあえて書こう。 なんでこれになったのかというと前回の『死霊のえじき』のコメで『死霊の盆踊り』とは違うんですか? と聞かれたので今回は『死霊の盆踊り』になりました。 こういうほわっとしたレスはとても好き。適当にリクしてくださいね! このエッセイのために新たに観るつもりはないのだけど、見たことがある奴ならなんか書いてみようと思う。 さて、『死霊のはらわた』自体も今にしてみればホラーファン以外はあまり認知度はないような気はするが、『死霊の盆踊り』はさらにない。だから知っていなくても当然で、世の中ではカルト映画と評されている。その界隈では、エド・ウッドという監督は世界最低の監督として有名だ。 さて、『死霊の盆踊り』はエド・ウッドの代表作と思われている。実際は脚本を提供しただけで監督自体はA・C・スティーブンという別の人だ。でもこの監督はこの後ポルノ映画で一斉を風靡するのだけど、おそらく期待されているのはエド・ウッドの話だろうから、そちらの話をしよう。 そして『死霊の盆踊り』の話をする前に他のエド・ウッドの作品の話をしよう。 自分がこれまで見たエド・ウッド自身の関連作品は下記の3つだ。 『死霊の盆踊り』 『プラン9・フロム・アウター・スペース』 『怪物の花嫁』 だが、これ以外にエド・ウッドの名前を関した映画の話を先にする。 『エド・ウッド』だ。これはティム・バートン監督がエド・ウッドの人生を題材にして撮影した映画だ。正直なところ、エド・ウッドの作品を見るよりこっちの方がよっぽど面白い。 ジョニー・デップがエド・ウッド役なのだけど、ジョニー・デップがキラキラした目で人を篭絡する。ベラ・ルゴシ役のマーティン・ランドーも素敵だ。ただ、題材が題材(ニッチすぎ)だけにこれを面白いと感じる人は限られるのかもしれない。 けれども、エド・ウッドの作品を見たことがある人こそ見てほしい作品ではある。また、これからエド・ウッドを見ようとする奇矯な人も、事前の知識として見ていた方が、エド・ウッド作品を生暖かい視線で見られるという利点があるかもしれない。 なお、エド・ウッドはラジー賞の前身たるゴールデン・ターキー賞で最低監督賞を受賞しているが、ティム・バートンの『エド・ウッド』がアカデミー賞の助演男優・メイクアップ賞をはじめ数々の賞を受賞しているのはとても皮肉で示唆に富む話だ。 エド・ウッド自身はプラン9を含む4本の作品を監督し、盆踊りを含む5本の作品に脚本を提供した。そしてどれもこれも興行に失敗し、1978年の12月10日に貧困の中でアル中で亡くなった。3日過ぎてしまったが、哀悼の意を表する。 色々な本をよむと、エド・ウッド自身はおそらくとても魅力的で、一部のタイプの人間に強烈に好かれるタイプの人間だったのだろうな、と思う。
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