0人が本棚に入れています
本棚に追加
秘め事 第一章
1秒だけ進んだ真っ暗な世界は
何も変わらず考えるだけであって
具体的なことを考えればいいのかと
今までのあたしは
背が小さくて恵まれた顔立ちも
能力も備わってなくて
友達のことを羨ましく思ったりして
変化を求めて変わろうとしても
特に変わることもなく
挑戦したことすら気づかれない感じで
育児などの理由で出来ないんだと
諦めていた気がした。
旦那も浮気癖も治らず
自分が一番だということばに踊らされて
もはや治ることはないと諦めて
都合のいい人であったとおもう。
変化が欲しかった自分であっても
大きな変化には対応できないのも
自分のなかでは気づいてた。
旦那と離れて子供と自分だけの人生。
選べば楽なこともあったとしても
子供を育てれる自信がなくなっていた。
趣味をもつ旦那は子供をおいて
出掛けることも多く
一人で子供達つれて公園行くのも
全然苦痛ではなくなっていた。
子供の笑顔が唯一頑張ってた理由だ。
お金のことで喧嘩してしまうことは
ほぼ毎日で生活することがキツかった。
食費がないのに食費使いすぎと言われ
生活費からしか払えなかった。
貯金なんて全くなく、毎年来年は貯めないとと意気込んでは全て叶わなかった。
結婚式もしてないあたしは
もちろんお金がない理由として
指輪ももらうことなく
ただ浮気出来にくい理由でしないんだと
最初からわかっていた。
今まで付き合ってきた人のなかで
一番あたしのこと嫌ってるだろう。
それなのに今も一緒にいるのは
子供が出来たから。
相手がそれが理由だとしても
あたしは子供が出来たことは衝撃で
でも子供が育てられることが
凄く凄く嬉しかった。
こうして考えてる間
子供達はどうしてるんだろう。
あたしがこの世界にいるのなら
子供達の存在も消えてしまったのだろうか。
あたしだけの存在だけ消えてしまって
何も変わらず生活してるのだろうか。
あたしだけがこの真っ暗な世界で
時が止まってるのだろうか。
あたしではなく
端正な顔立ちで秀才で
自慢の出来る母であれば
きっと子ども達もももう少し
素直でいてくれただろうか。
時が止まってなければそれでいい。
そんな生活が訪れてればいいなと
考えてしまう。
あたしに似らず素直な子達だった。
どんなときでもお母さんって
笑ってくれて泣きそうなときも
子供達の方が泣きそうな顔で
いつも隣で笑っていてくれた。
きっと幸せだった。
あの日々が夢だったのか。
そうだとしたらあたしは
凄く贅沢で幸せな日々を過ごせてた。
またあの夢に戻りたい。
出来れば生まれ変わって
新しい世界に行くとしても
お母さんではなくなってても
どんな形でも一緒にいる時間を
1秒でも多く過ごしてみたい。
真っ暗な世界で考えてるだけなのに
少し自分の体温が温かくなった気がした。
多分あたしの存在は夢でもなく
存在してたんではないのか。
かたく閉じてた目を少し開くと
時計の針は進んでたはずなのに
1時間も戻っていた。
そんなに考えてたのか。
あたしは前の世界でもなく
新しい世界でもなく
ただ秒針が当たり前に動く世界で
あたりまえだとおもっていた
かけがえのない人たちと一緒に
過ごしてみたいんだ。
真っ暗な世界は少しだけ
熱を感じれるようになっていた。
最初のコメントを投稿しよう!