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不安になって、土曜日の約束を取り消そうとしたら、古澤柊斗が顔をあげて、へらりと笑った。
「いいよ。土曜日、映画行こう」
いつもどおりの気の抜けた笑顔の裏で、古澤柊斗は何を思っていたんだろう。
それを考え始めたら、複雑な気持ちになる。
だけどそれでも、新学期が始まるまでに彼に会う確約ができた。
未だに古澤柊斗への片思いを拗らせ続けているあたしは、それだけのことがバカみたいに嬉しい。
先の見えないこの想いを、あたしはこれからどこまで募らせていくのだろう。
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