続・この風の向こうまで

きみのもの《柊斗》

あいつ、前もまおちゃんと一緒に歩いてた。

茶髪でまぁまぁ顔が良くて、雰囲気がチャラそうなやつ。

まおちゃんは「一緒にクラス委員をしてるクラスメートだ」って言ってた。それに「去年告白された」とも。

そいつが何で今日もまおちゃんと……フラれたのに諦めてないってこと……？

「あいつ、去年まおちゃんに告白した、って」

「ふーん。せいぜい他のやつにとられないように頑張れよ」

恭介が意地悪く口角をあげて、他人事みたいに笑う。

その笑みにムカつきながらも、少しの不安が胸に募った。