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「あたしのほうが年上なんだけど。だから、あたしの、だよ」
真っ赤な顔のまおちゃんが至近距離で真っ直ぐに俺を睨む。
ポカンとしていると、強張った顔をしたまおちゃんがちょっとずつ涙目になっていった。
「古澤柊斗は、あたしの」
必死な顔で訴えられて、これはヤバいって思った。
そっか。俺、まおちゃんの、なんだ。
まおちゃんにこんなこと言わせるなんて、他のやつに嫉妬する心配なんてないくらい想ってもらえてるじゃん。
そう思ったら、勝手に顔がニヤける。
「何笑ってんの?」
俺を見上げながら、未だに恥ずかしそうなまおちゃんのことをぎゅっと抱きしめる。
「別に。まおちゃんのこと、大好きだなーって思ってただけ」
「何言ってんの」
俺の頬に触れるまおちゃんの耳が燃えそうに熱い。
それすらもすごく愛おしくて思えて、まおちゃんの火照った耳の先に口付けた。
これからもずっと、まおちゃんの、でいられるといいな、って。そんなことを、考えながら。
《Fin》
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