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「親御さんは、アナタの仕事を応援してくれていますか?」
質問した端から、葛城が笑う。
自身で発した下らない発言に笑う彼を見ても、カスミの気持ちは揺らがない。
いつもの彼女なら、愛銃のベレッタで額を撃ち抜いているのに。
それよりカスミが気になるのは、この空間だ。
空気中の埃が鼻に入り、何度もクシヤミをしてしまった。
淀んだ空気が肌に粘りつき、蕁麻疹が出た。
汚れアレルギーが発症したのだ。
「今、一番やりことは何ですか?」
「この汚い部屋から、さっさと出たい」
また、葛城が大笑いする。
「ま、すぐには出られないだろうけど」
「おや、それはまたどうして?」
カスミは答えなかった。
答えれば、思わぬ反撃を食らう可能性がある。
相手も、相応の訓練を受けているのだ。
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