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空白
その後、俺は花代ちゃんとの間に子を授かった。立派な男の子だ。ホワイト企業での仕事はまだ続けていて、仕事を終えて家に帰ると美しい妻と温かい夕食。そして何より可愛い我が子が待っている。とても幸せだ。でも、幸せなのに何かが物足りない。ブラック企業で働いていた時の忙しさが、真夜中に同僚と飲む酒の美味しさが...。
そんな俺の気持ちに妻が気付いてしまった。「ごめん。俺ブラック企業に戻りたいと考えてしまうんだ。お前らに無理させたく無いし、息子に昔の俺みたいな悲しい思いさせたくないのに。」と言うと、妻は俺の手を握りしめ「昔いた会社に戻ってもいいよ。家計は私がしっかり管理するし、あの子に悲しい思いは絶対にさせないから。」と力強く言った。
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