紅華開彩舞姫( あかはなさくあむひめ )

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紅華開彩舞姫( あかはなさくあむひめ )

 ★☆9月2日★☆  午後1時少し前、僕は書店を休み天土神社の本殿前で待っている。  僕の服装はダークグレイの背広姿に、白地のワイシャツ、濃紺のネクタイ、黒い革靴。  首にかけられた青メノウの勾玉のネックレスは、ワイシャツの下に身に着けている。   神様と女神様に敬意を表してまるで新入社員のような服装をしてきたのだ。  午後1時になると神様と女神様の紅華開彩舞姫(あかはなさくあむひめ)が腕を組んで現れる。  神様はの今日の服装は、チャコルグレー地に黒の千鳥格子の背広、薄ブラウンのワイシャツに黒字に白の水玉模様のネクタイ、ブラウンの革靴を履いている。  女神様は、身長165㎝、思わず触れたくなるような柔らかい質感のフォギーベージュ色のロングストレートの髪に、美しい弧を描く眉、大きな黒目、筋が通った鼻、プリンとした唇、シャープな顎をした顔立ちに、白地にピンクの花柄ワンピースを着ている。  右手には薄いピンク地に真っ赤なサクランボ柄のトートバッグを持ち、ピンクのスニーカーを履いていて20代にしか見えないスタイル抜群な美女だ。 「『颯』待たせたの」  神様が女神様への方に顔を向け、僕に紹介し始める。 「紹介しよう、こちらが儂の彼女の『紅華開彩舞姫(あかはなさくあむひめ)』じゃ!」 「初めまして『颯』」 「私が守の彼女。彩舞と呼んでちょうだい」  と女神様が僕に微笑み語りかける」 「『颯』守とは、儂のことじゃ」  とてれる神様。 「儂の事も、これからは『守』と呼ぶように」 「『颯』の親友を作るようにと、頼まれているの」 「私が男友達を、守が女友達を選んであげるから」 「この美女と美男子コンビニ任せなさい!!」  と張り切る守さんと彩舞さんであった。 ――――これでは二人の好みを選ばれてしまいそうだ・・・・・・  それから数分後、僕は二人に連れられて街中を歩いている。  二人は、相変わらず腕を組んで、楽しそうにお喋りをしながら歩いている。  時々通りすがりの若い男女をチェックしているようだ。  30分位歩くと守さんが 「『颯』、お前の部屋に行こう!」  二人と僕は、僕の部屋に向かう。  ☆★僕の部屋☆★  部屋の前に着くと、僕がドアの鍵を開け、 「どうぞ、部屋にお入り下さい、守さん、彩舞さん」  彩舞さん、守さん、僕の順番に部屋に入る。 ――――神様達の世界でもレディファーストらしい。   僕の部屋は、玄関に入って直ぐに冷蔵庫と洗濯機、食事用テーブルに4つの椅子、ステンレスの流し台の上にカセットコンロが置かれたキッチンルーム、奥に洋間、キッチンルームの横にトイレ、浴室の1kアパートである。  ホワイトの壁に木目調の床タイルが敷かれた洋間には、クロゼット、液晶テレビ、ベット、本棚、ディスクと椅子がある。  テレビの前には二人用のレザーのブラウン色のソファがある。  洋間の窓には薄ブラウンのカーテンがかけられている。  キッチンの食事用テーブルに洋間側の壁を背にして守さんと彩舞さんが並んで座り、向かい側に僕が座っている。  彩舞さんが守さんに目配せして、守さんが話し出す。 「『颯』、既に儂らがお前の親友を男1人女2人選んで、お前の記憶を彼らに埋めこんだ」 「彼らに会えば青メノウの勾玉のネックレスが反応して、お前にも分かる」、 「9月8日午前10時30分に『夢川水族館』のチケット売り場の前に行くのじゃ」 「そこでお前は彼らと待ち合わせをしている事になっている、彼らはお前に会えば直ぐに分かる」 「お前にはネックレスから儂らが、彼らを知らせる!」 「儂ら二人も後から合流する、儂らはお前の大学の先輩ということになっている」 「一緒に水族館で楽しもうぞ、儂らも楽しみにしておるぞ」  と守さんと彩舞さんが互いの顔を見合わせて、笑顔で頷く。 ――――何だか水族館に行きたかった彩舞さんが、守さんを尻に敷いて言わせた気もしないではないが、 僕としては、男友達と女友達が出来ればバンバンザイだ。
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