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天土神社( あまつちじんじゃ )
僕は「草壁颯28才、文盟堂書店に勤務している。
中肉中背で、髪は黒の短髪、色黒、四角い顔に細い目、団子鼻に厚い唇、お世辞にもイケメンとは言えない。
僕が19才の時、父は会社に車で通勤中に信号無視のトラックに衝突され、交通事故で死んだ。
それからは、母は父の代わりに家計を支えようとして昼はスーパー、夜は居酒屋と昼夜働き詰めだった。
僕が24才のある夏の日、そんな母もスーパー勤務中に心筋梗塞を発症して倒れて死んでしまった。
兄弟も親戚、親友といえる友達もいなかった僕は、母が亡くなった時から孤独な生活を送っている。
僕が住んでいる2階建てのアパートの近くに天土神社はある。
天土神社は、赤い木の鳥居、鳥居の右後ろ石灯篭が一つ、古びた木造の本殿、本殿の横に同じく古びた木造の社務所がある。
本殿の前に木製の賽銭箱、本殿の柱と柱の間にしめ縄が張られ、参拝する人が鳴らす鈴が天井から垂れ下がっている。
福と縁結びの後利益があると定評がある天土国守命(アマツチクニモリノミコト)様が祀られているのだ。
ご神体はまだ見たことがないが・・・・・・
僕は、天土神社の神様に親友が出来ますようにと毎週お参りに通っている。
社務所でも毎年、厄払いのお守りを買っているが、まだ神様からのご利益はない。
でもでも僕の運命は、天土国守命に導かれて変えられていく。
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