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序
宇宙空間。
深い紫の闇の中にひとつのカプセルが漂っていた。
銀河系惑星連合艦隊の巡視船『NAGI 』の船長、八雲ツカサが発見したカプセルからは弱い救難信号が発せされていた。
ーサルベージを...ー
船内に回収されたカプセルを開くとひとりのヒューマノイドが赤子を抱きしめるように踞っていた。
ーひどく弱っているが、大丈夫か?ー
医務室に運び、マゼラニアンのDr.T.Eに診察を依頼する。
ー赤子は心配無い。大人のほうは.....星系がわからんが、785Hzのヒーリング-エネルギーを入れている。あらかたの星の生命体には効果があるはずだー
八雲は黙って頷いた。
ー何処の星系の者かわかるか?ー
航海士のアンドロメディア、ナシルに訪ねる。
ーこの界隈の星系の者じゃないな。地球人に近いが、地球からはかけ離れているし、この辺には地球系のヒューマノイドの生息している星は無い.....外宇宙からワープを重ねてきたんだろうー
ナシルは溜め息混じりに言った。
ー星の海に誰よりも詳しい君がわからないんだ。後は『慧』 に訊くしかないなー
ーそうだなー
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数日後、ヒューマノイドは、一時的に意識を回復した。
翻訳器が故障していなければ彼の母星は『エテルナ』。おとめ座超銀河団のM87あたりにあるという。
生態系はよくわからないが、地球人の食べ物が食べられることから、とりあえず生命体としては近似値らしい。
八雲は彼らをコロニーに連れ帰り、とりあえず療養させることにした。
彼はコロニーに到着して、八雲と同居し、五年を生きて世を去った。
赤子と赤子の守りとしてある物を残して.....。
彼、マティアは雌雄同体で、赤子は自分が産んだと語っていた。が、外見は、銀紫色の髪に褐色の肌の美青年だった。天命だからと最後に微笑った顔も美しかった、
八雲は赤子を自分の子として育て、その20年の後から、この物語は始まる。
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