Have a Blast!

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 ありがとうございました、という声を背に、イタリアンレストランのドアを押して出る。  仕事を終えてから、サンダー&ライトニングに向かう。その道程の途中にあるここでケーキのテイクアウトを予約しておいた。  和馬の誕生日当日になる今日、客の入りはどれくらいだろう。3日前に店としてのバースデーイベントは盛大にやっていたし、今日は平日なのだから、それほどではないかもしれない。  とは言え、ベテランドラマーとして尊敬され、親しまれている彼だ。いつもなら暇な火曜日も、いつも以上に来客があるに違いない。  ケーキのサイズは8号にしたけれど、足りるだろうか、と歩きながら少し考える。  その場にいる客全員に行き渡れば良いけれど。  5分も歩けば、すぐにサンダー&ライトニングには到着する。いつものように、扉の前では音漏れが聴こえる。音の具合からすると、セッションをしているようだ。  ぐっと力を込めて、重い扉を開く。
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