焚き付けられて

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「【Cから始まるABC】を地でいくような男だよね」 マックで、真仁の彼女の夢にストローを向けて言われた 「何それ?」 「【忘れらんねぇよ】って3ピースのバンドの曲だよ」 「聞いたことない」 と、律希 「俺も」 と、真仁 「え?!嘘。バンド名も聞いたことない?CMソングも歌ってたのに」 夢が高塚に相づちを求めた 「いまは1ピースだけどな」 高塚は柿渋の話には心底興味がなさそうに、ビッグマックを片手に音楽雑誌を繰っている 「1ピースって、それバンドかよ?!」 真仁がツッコミをいれた 高校3年生 受験の年 放課後、こうして4人で勉強する機会が増えた なぜなら4人共、外部進学組、いわゆる受験組だからだ 夢は親との約束で 真仁は夢を追って 高塚は音大志望 柿渋は理由はないが、追い込まれるのが好きなため、受験というギリギリのスリルを味わいたくて決めた 3年生は、夏の大会が終わった後に部活動を引退するのが普通だが、高塚と夢は元々帰宅部だし、真仁はすでにバレー部を辞めていた 柿渋は現在進行形で生徒会業務をサボって来ている 「そんなことばっかりやってないで、生徒会はいいのかよ。そろそろ選挙だろ?」 真仁に指摘された 1学期の終わりには次期生徒会選挙があり、それが現役の最後の仕事となる 「あー、やめたくないなー、もう少し学校を支配したい」 柿渋はドMだが、ドSでもある そして薄目で向かいに座る真仁と夢を見た
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