焚き付けられて

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「あ、ホリケイ終わったって。行くか?」 高塚と夢が立ち上がった これからバンドの練習なのだ 『ホリケイ』というのは、夢たちのバンドのドラマーだ 柿渋も文化祭の時に一瞬だけ見たことがある 同い年のはずだが、きれいな白い肌と少年のような無邪気な目をした、赤い髪の男子だ 「そういえば、ホリケイ、小室さんと連絡先交換したらしいよ」 鞄に参考書を入れながら孝太郎が言った 「え?!嘘?!わたし、成から何も聞いてないけど?!」 「俺も初耳」 夢と真仁が動揺している 「こないだ、松山たちとライブ来てくれたじゃん。俺らの次のバンドがノリよくて、霧島と松山は前の方に行ってたろ?小室さんが一人で壁際にいたから話しかけたら意気投合したって言ってた」 「え?!ホリケイが?自分から話しかけたの?それ、すごくない?」 今日の夢は疑問詞が多い 「だろ?よっぽど気になったんだぜ。一体いつからだろうな」 高塚は、まだ参考書に頬をくっつけている柿渋を見下ろし 「それだけ気になってたってことだよな。小室さんはよくライブに来てくれるから。こんなところでウダウダやってたら手遅れになるぜ?ホリケイはかっこいいよ」 高塚はそう言い捨てて、トレーを手に出口の方へ向かっていった 夢がその後を追う 「だってさ」 真仁が柿渋の肩を揺さぶり、(そろそろ起きろよ)と合図した
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