将来の話

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休憩時間ではないものの通りがかったついでにドアを少し開く。 机で勉強する仙寺に寄り添って仄がノートを覗き込んでいる。 時折二人が顔を合わせ笑う姿に昔の自分達を重ねた。 螢子がいたら、幸せそうに笑っただろう 最後の言葉は 仄が訪ねてきたら だったから。 「最後ぐらい母親でなくてもいいだろうに」 思わず呟いてドアを閉めた。 出会って二年。付き合って一年。 一緒に行きたい所も、一緒に見たいことも 沢山あった。それなのに。 失ったあとはこんなにも長いのに、過ごした時は一瞬で 螢 なんて儚いものに心奪われた悲しみをいつになったら癒せるのか。 せめて、 あいつらには幸せになって貰いたいよな.. 自分自身に言い聞かせて病室を後にした。 「明日同じ布団に入ってたら          出禁にしてやる」 誰に言うでもなく呟くと硯は歩いた。
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