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「よかったの波瀾君?」
「ん?何が?」
「あっだって……お友達と話してたから……」
その言葉を聞いた波瀾は微笑む。
「何言ってんだよ優香。俺は優香とお昼ご飯を食べたいからここに来たんだ。それに、あいつだって許してくれる……と思う」
そういや雄太のやつ、誰とお昼ご飯食べるんだろ?……もしかして、一人で食べるのでは……
(すまん雄太!俺の青春の為の犠牲となっておくれ!)
「波瀾君」
と綺羅優香は言う。
「ん?」
「あのね……あり……ありがと——」
「わっ!」
優香の言葉を遮るようにして一人の少女が波瀾にぶつかった。その少女は花山高校の制服を着ていたにも関わらず、背は小学生くらいだった。
「おっと、すまん」
と波瀾が言う。
「こちらこそ、ごめなさい!」
少女はお辞儀をして、近くに落ちていたゴルフバックを拾った。
「じゃあ、さようなら」
「ああ、じゃあな」
瞬きをすると少女は居なくなっていた。
「むー」
「ど、どうした」
「何でもないです!」
(何でコイツは不機嫌になっているんだ?)
女って分かんねー。
しっかし、さっき当たってきた子、綺麗な瞳だったなー、何というか……こう、守りたくなるような……そう!儚い瞳だった。
綺麗な瞳だったなぁ。でもまあ、優香には敵わないがな。
「なあ優香」
「むー」
何故不機嫌なのだろうか?
「あの、優香さん」
「むー」
め、面倒くせぇ。
「ああもう、優香早くご飯食べよう!だから行くぞ!」
波瀾はそう言って優香の手を握った。
「ッ!は、波瀾君……」
「反論はさせねぇ!さっさと空き教室に行くぞ!」
「えェェェェェ!?」
(こんな時はとにかく飯だ!お腹いっぱいになれば優香だって機嫌良くなるさ!)
「うぉォォォォォォォォォォ!!!!」
そうして、波瀾は廊下を駆けた。
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「ニヒヒッ。置いてかれたなぁ鴇波雄太」
「うるさい。学校では話しかけないでって言っただろ」
「はいはい。で、これからどうするんだ?」
「食堂に行く」
と雄太は言って、教室を出た。
「わっ!」
「おっと!」
雄太が教室を出たタイミングで少女が走ってきた。雄太はその少女とぶつかった。その少女の背の高さは小学生くらいで……。
「あの、ごめんなさい!」
「ああ、全然大丈夫だから。そっちは怪我してない?」
「大丈夫です!」
「分かった。じゃ」
「はい!じゃ、です!」
そうして二人は分かれた。
「……鴇波雄太、早く契約しねぇか?このままグダグダしてると——大変な事になるぜ」
エクサバトーはそう言ったが、僕は無視する事にした。催促は嫌いだし、何よりここには人が沢山居る。変人には思われたくない。
「たく、無視かよ」
(どうするべきかねー。雄太に言ったほうがいい気がするな。今ぶつかったら女は……契約者だって。まっ、いいか。このまま雄太の事を見ていよう。いつかは、契約のチャンスが訪れそうだしなぁ)
「ニヒヒッ」
「……なあエクサバトー、その笑い方辞めない?」
「ケチつけるのか?」
「いや……なんか怖い」
「そうかい」
その会話を最後に、僕は食券を購入した。
その後、美味しいラーメンを食べた。
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