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「何で、俺の名前」
「クラスメイトの写真をもらってるんだ」
あんまり学校来れないからさ、と言いながらへへっと得意げに笑う君。
「あっそ」
「えー、酷い、塩対応だなー」
けらけらと笑いながら、サツキは「ほら、何で学校来てなかったの、とかさ」と俺を悪戯っ子のような表情で見下ろした。
「……何で」
「病気なんだ、身体弱くって」
食い気味に答えられた。そんなに軽々しく口にしていい台詞ではないと思った。
「そんな風に答えないほうがいいと思うけど」
「え? そんな大げさにしなくていいよ? だってこれ生まれつきだし」
「大げさとかじゃないけど」
「じゃあ、何」
どういうこと? とでもいうように小首をかしげる。何故だかドクン、と心臓が鳴って少しだけ目を逸らして俺は答える。
「いや、……なんていうか」
俺、おかしい。初対面の相手にこんなに話をするなんて、キャラじゃない。
そう思う頭とは裏腹に、感情がせりあがって唇から溢れ出そうと疼く。ぎゅうと奥歯を噛み締めてやり過ごそうとした。
「あ、今言うのやめようとしてるでしょ」
「ッ」
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