4

3/3
前へ
/19ページ
次へ
 いくら好き同士だからって、同じことを考えてるわけじゃないし、同じ気持ちにはなれない。今まで玲次が付き合って来た人はそうだったかもしれないけど。 「…どうしろって?」  今度は玲次が返事をしない。ずるいよね。いつも肝心なことは言わないんだから。 「僕も男なんだからさ、これ以上どうなれるんだよ」  玲次が困ってるのがわかる。僕も困ってる。確かに、玲次のこと好きで、彼氏だと思ってるけど。 「…バカか」  バカ、と言われてほっとする。  部屋に張り詰めていた緊張の糸が緩む。これは、僕の知ってる玲次だ。でもまだちょっとドキドキしてる。 「明日、また迎えに行く。保険証持ってきとけよ」
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加