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でも、バランスが崩れたのを感じて、目を開ける。いつの間にか、僕の背中に回された玲次の腕に支えられて、床に倒れ込みかけてた
嘘だろ!
「玲次っ」
慌てて、玲次の腕を振り払おうとする。けれど、その力は案外強い。唇が、耳の下まで滑り降りて来る。
僕は玲次をぶん殴る。
何とか玲次から離れて気付くと、シャツのボタンがいくつか外されていた。こいつ、口より手が先のタイプだ。確かに、キスが告白より先だったもんな。ため息をついて、ボタンをかけ直す。
これって、生々しく恋愛なんだなぁ。プラトニックでいいと思ってるのは、やっぱり僕の方だけみたいだ。でも、僕は女の子じゃないし。
玲次の不満そうな視線を感じる。でも、僕は何も言えないから、目を合わせない。これには応えられない。
「…何でだよ」
玲次の声がする。小学生並で意地悪で、でもクールなのが、僕の好きな玲次。こんなただの男な玲次は見たくない。
ひねくれ者で、好きだって意思表示が出来なくて。そういう玲次でいて欲しい。
「何でなんだ?」
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