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~17. カミナ、月光拳を学ぶ
昼食を終えた二人はルナの通う道場に到着した。
「月光拳 村正道場… 」
カミナは看板を見上げて声に出して読み上げた。
「何だかさっきの話を聞いた後だと、ホント『月』に関係するネーミングって多いのね」
ルナは感慨深く呟いた。
『村正』と言うのはルナの師匠の『村正 勇』の名前だ。
階級は『範士』。簡単に言うと月光拳の宗家の次に偉い人だ。
村正 勇は父、照矢が整備工場を始めた初期の頃からのお客さんでもあった。
その繋がりでルナが小学4年生の頃から村正道場に通い始めた。
道場では『村正範士』と呼んでいるが、普段ルナは「師匠」と呼んでいる。
『月光拳』と言うのは師匠の話だと…
・『満月の円の動作』
・『三日月様な足捌きと体捌き』
・『相手の動きに合わせて光を反射する様な変幻自在な攻撃』
・『自分の心と動作を朧月の様に相手にハッキリとは見えない様にする』
・『人格形成に努め円満に収める事』
これらを体現する武術が『月光拳』だと言う事だった。
' 中々それを体現出来る練習生は少ないのだけど… まぁ、理想は目指さないとね '
そんな中でルナは憧れの先輩に出会い、付き合い始めた。けれど少しでも先輩に近づきたくて実力をつけて行った結果、強くなり過ぎて憧れの先輩はルナから去って行った。
そんな苦い経験もここで味わったのだが。
「お前のセンスを許容出来ない男なんて忘れろ!」
師匠も情けない弟子に憤慨しつつルナを慰めてくれた。
そんなルナも今では道場の指導員を任される程の実力者だ。
村正 勇は職業武術家なので、道場経営を生業としていた。
道場は自宅に併設してあるし、練習コース毎に部屋も分けてある立派な道場を持っていた。
だから基本的に毎日何かしらの練習生が来ていた。
色々な年代の色々な人が、色々な目的で道場に通っている。
護身術であったり、スポーツ格闘技であったり、健康増進であったり色々だ。
ルナは護身術のコースなので服装は自由。
護身術コースは、体重別に分けられてもいないし、どんな服装でも護身ならば対応出来る必要がある。
もちろん身を守りやすい服装、動きやすい服装と言うのはある。
しかしルナだって女性だしお洒落もしたい。
他の女性練習生の為にもどんな服装でも身を守れると言うのは大切な事だった。
持って来た帯はコース分けの目印の為と、帯の結び目が丹田を意識するのにやり易い為だ。
武術、武道に限らず身体を使う事では丹田を意識したり、体幹トレーニングと言うのは大事だ。
各種武器術もあれば座学だってある。
だが… 正直ルナは今日の稽古は乗り気になれなかった。
それはそうだ。先程の話を思うといくら強がった所で悩むなと言う方が無理と言うもの。
けれどカミナに色々な経験をさせたいと言う想いで道場に誘った手前、休む訳にもいかない。
一昨日も休んでしまったし、落ち込んだ顔を見せたら師匠にもカミナにも心配を掛けてしまう…
だから今日のルナは少し無理をしていたが、ヤワな鍛え方はしていない。まぁその限度は人によって違うものではあるが。
' 集中しないと怪我するしね! '
「さぁ入って!」
ルナはカミナを促した。
「こんにちは!」
元気に挨拶するルナ。
カミナもよく分からないまま「こんにちは」と挨拶してルナに続いた。
先に来ていた練習生達が一斉に「お疲れ様です!」とルナに挨拶をする。
しかしそれと同時にいつもと違うざわめきが起こる。
ルナが男連れだからだ。
カミナは皆がなぜルナと自分を交互に見ているのか分からなかったが、自分が原因の様な気はしていた。
ルナは村正範士の所に挨拶をしにカミナを連れて行った。
「先日はお休みしてすみませんでした。
彼は事情があって一昨日から私の家に泊まってるカミナくんです。
今日は稽古を体験させたくて連れて来たのですが…
よろしいですか?」
師匠は厳しく、優しく、愉しく、リアリストだ。
西暦生まれで厳しい時代を経験して来た人でもある。
村正はカミナを一通り上から下まで眺めてから返事をした。
「うん、いいよ。何をやりたいの?」
「彼は未経験者なので、私が取り敢えず指導したいと思うのですが」
カミナは村正にじっと見られて、どんな顔をして良いか分からず緊張していた。
ただ緊張すると言う経験がほとんど無かったカミナは、それが『緊張する』と言う事だとは理解していなかった。
ただ全身の人工筋肉が強ばっている事は知覚していた。
村正は「分かった。後で見に行くよ」と伝えた。
「宜しくお願いします」
ルナが頭を下げると、カミナも慌てて「宜しくお願いします!」と頭を下げた。
村正はカミナを見て変わった子だな、と思うと同時に
' 体幹がしっかりしてるな ' と歩いて行く姿を見て思った。
「今日護身術を体験してもらうカミナ君です。皆さんよろしく」
ルナは他の練習生に紹介した。
「よ、よろしくお願いします!」
カミナも少し緊張したまま挨拶した。
すると練習生の高校生が「灰月先輩!彼氏ですかぁ?」と茶化して来た。
「はぁ?!」
ルナはいつもならそう言うガキンチョはシメる所だが、今日は考え事で不意を突かれて不覚にも顔を赤らめてしまった。
「そう思って頂いて構いませんよ」
なんとカミナが横からそう答えた。
「カ、カミナくん!?」
ルナは更に赤くなった。
そのカミナの返事に茶化した高校生や周りの練習生は驚きの声と共に「ヒュ~!」と声を上げた。
その中にはカミナを睨みつける奴がいた。
その様子を見ていた村正は
「お前ら、くだらん事言ってる暇があるんだったら站椿(たんとう)30分コースしとくか?」
と声を掛けた。
站椿とは流派によって色々なやり方があるが、簡単に言うと中腰になって腕を前に出し、姿勢を維持したまま耐える中国武術由来のトレーニングの事だ。
やった事が無い人は3分程度でも音を上げる。
すると皆はそれぞれの練習に戻って行った。
「さてカミナ君、念の為に聞くけど… 護身術ってどんな物か知ってる?」
「概念としては知ってますが経験した事はありません。
逆にルナさんは『ロボット三原則』はご存知ですか?」
' げっ… '
ルナは完全に失念していた。
『ロボット三原則』とは…
1.第一条
ロボットは人間に危害を加えてはならない。またその危険を看過する事によって人間に危害を及ぼしてはならない。
2. 第二条
ロボットは人間に与えられた命令に服従しなければならない。
ただし与えられた命令が第一条に反する場合はこの限りではない。
3. 第三条
ロボットは前掲第一条及び第二条に反する恐れのない限り、自己を守らなければならない。
20世紀の米国のSF作家、アイザック・アシモフが自身の作中で提唱したものだ。
「ももも、勿論知ってるわよ!?」
焦るルナを見てカミナはニッコリ微笑んだ。
「… カミナくんはもしかして… ロボット三原則に引っ掛かるの?… 」
「さてどうでしょう? 」
カミナは少し意地悪そうに答えた。
「… 例え引っ掛かるとしても、護身術は自己を護る為の物よ?経験してても問題は無いと思うけど?」
「… そうですね。旧世紀の軍用ロボットは人工知能… 自分の意志を持たない為、ロボット三原則は当てはまりませんでした。
だけど僕は高度な人工知能と意志を有しています…
どう思いますか?」
「… カミナ君は… もう意地悪ね!分からないわよ… 」
ルナは腕を組んで口を尖らせた。
「ハハハすみません。
… 僕の場合は今はその枠外に居ます。
アシュ博士が作ったKAMINAと基本的に同じ扱いですから、
セレーネ計画では従来の縛りはありませんし、かと言って僕の自由意志で人間に害を為す事は有り得ませんよ」
ルナはホッと胸を撫で下ろした。
「それに基本的に僕はアシュ博士の想いを知っていますし、好奇心があります。
それとルナさんを護る事は僕の役割に入ってますからね」
' これって先を見越したカミナくんの思いやりかしら? '
何せKAMINAは量子コンピュータだ。あらゆる可能性を予見する。
後々ルナが心配する可能性を先に排除したのかも知れないとルナは考えた。
「分かったわ!じゃ本番始めるわよ!」
ルナはカミナの学習能力、身体構造、身体能力を考慮した上で、一通りの基礎から攻防の技法を教えてみた。
カミナはひとつひとつの姿勢から身体各部に掛かる負荷や、技法をあっという間に学習し、それに必要な人工筋肉を強化したりバランス感覚をインプットして行った。
その学習速度はセンスのある人間でも全く比較にならない速さだった。
ルナの技の解釈や用法、応用の説明も超高速で学んでいた。
しかも人に怪我をさせない様にそれを体現出来るまで、人が何年も要する事をものの1時間程度でしかも高い精度で吸収していった。
ルナも一度教えたら理解し、出来る様になるカミナに感心していた。
' さすがカミナくんね… '
周りで見ていた練習生はカミナが未経験者だと聞いても信じられなかった。
「何だ…あの人… 」
気付けば他の練習生の手は完全に止まっていた。
それを一人唇を噛んで苦々しく見ている男がいた。
村正道場のエースと言える大学生の『河水 流(こうみ ながれ)』だった。
初めに睨みつけていたのはこの流だった。
流の実力はルナも認めていたし、その名前の様に水が流れる様に技を変化させるセンスは見事だった。
だが流は自己顕示欲が強いと言うか、ルナに対しては女性でありながら自分より上を行く事実にライバル意識を持っていた
また承認欲求も強かったため、ルナへ変に強さをアピールするところがあった。
つまり歪んだ好意の表れだったのだが。
そこに格闘技や武術の経験が皆無と言う男が現れ、しかもたかだか1時間程度で自分が危機感を覚える程の上達を見せつけているのだ。
流としては許せる筈もない男。
「ルナ先輩、彼凄く物覚え良いみたいっすねぇ。とても素人とは思えないっす」
そう言いながら流はツカツカと二人の目の前まで近寄って来た。
' また流の悪いクセが出たわね… '
流の『俺は強いアピール』はもう何度も見てきた。
しかも言い出したら黙らせるのが面倒なのだ。
格下と見るや『実戦を想定した模擬戦』とやらを相手に申し込むのだ。
体格が近い男の練習生は大抵この洗礼を受ける。
' やれやれ… '
「やめなさい流。カミナくんは今日が初めてなのよ」
だが今回流は相手を格下と見てなかった。
「いやいや、初めてでここまで出来てるんすよ?
逆にここで帰しちゃったらもしもの時に怪我しかねませんよ。
練習と実戦は違うって事を理解させておくのが親切だと思いますけどね?」
確かに流の言う事は間違ってはいなかった。
どれだけ真面目に稽古をしていても、実際にその場になると頭が真っ白になって何も出来なくなる人は多い。
それが現実だ。
日頃の稽古で確かな技術を身に付ける事は大事だが、それと同様にその非常事態の瞬間に腹を括れる能力『胆力』が大事なのだ。
ただしそれは『人間』だったらの話だ。
カミナは人間ではないのだから。
ルナは既にある程度アシュ博士と意識が被っていたので、カミナがどの程度の学習能力があるのか分かっていた。
それを今、直接指導した事で実感を得ていた。
バイクの二人乗りが上手くなっていた事もそうだ。
今のルナはカミナの事をかなりよく理解していた。
だからルナは『流のプライドを傷付けず』逆に痛い目を見ない様に制止したのだ。
そこに様子を見ていた村正が現れた。
「流、カミナ君、実際手合わせしてみるといいよ」
流はまさか村正範士が許可をくれるとは思って無かったので驚いたが、その瞬間 ' ヨッシャ!' と小さくガッツポーズをした。
「ただし、オープンフィンガーグローブ(※)と防具を二人とも着けなさい」
(※手の指が全て動かせ、掴む事が出来るグローブ)
「え?防具を俺も、ですか?」
「そうだ」
' グローブは分かる。けど俺が防具を着けるなんて今迄無かったぞ?範士やルナ先輩とやるんじゃないんだぜ? '
流は月光拳のスポーツ格闘技コースの選手とやった時も防具無しで勝っていたし、いくら覚えが速いと言っても相手は今日初めて戦う事を経験するのだ。
そんな相手に自分が遅れを取る理由がない。
しかし村正が言うのだから言う事を聞かない訳にはいかない。
しぶしぶ流は全身に防具を着け始めた。
ルナは ' さすが師匠、分かってるわ ' そう思いながらカミナに防具を着けてやっていた。
そしてカミナに小さい声で言った。
「カミナくん、手加減してあげてね」
「了解です」
カミナも小さい声で応えた。
ルナは流ではカミナに勝てないと確信していた。
' こんな会話、流に聞こえたら逆上しそうだわ '
二人は防具を着用し、準備が完了した。
「ルールは分かってると思うが目突きや金的狙いはダメだ。後、ノックアウトかタップ、『参った』と言ったら勝負ありだ。分かったな!?」
「オス!」
流は両手のグローブを握り込んだ。
「はい!」
カミナは楽に指を開いて構えた。
「流、制限時間は必要か?」
村正は何故か流に尋ねた。
「範士、それはカミナ君に聞く事じゃないんスか?まぁ要らないと思いますけど」
「… カミナ君、制限時間は必要かな?」
「… いえ、大丈夫です」
カミナは緊張する様子もなく、笑顔で答えた。
ルナもカミナがどう戦うのか興味深かった。
' 基本的な事しか教えてないけど… どこまで『使える』かしら? '
反面、流はカミナの笑顔に激しく イラッとした。
' 様子見なんかナシだ… コイツは防具の上から昏倒させてやる! '
流は敵意を剥き出しにした。
他の練習生は既に場外へ下がっている。
ルナも試合のスペースから下がった。
村正が審判として残り、二人を線に立たせた。
「始めっ!」
村正の合図と共に流は動いた。
' ヘッ!経験のない奴は急に間合いを詰められると頭が真っ白になって動きが固まっ!? '
『ズバーンッ!!』
流は何が起こったか分からなかった。
ただ相手の手のひらが自分の顔を抑え、その指の隙間から天井が見えていた。
そして頭を押さえ付けられたまま両コメカミに激痛が走った!
流は動かせる手足をじたばたさせて「ま!参った!」と声に出していた。
「そこまで!」
即座に村正の制止の合図が入った。
流は抑え込まれていた頭、右腕、そしてコメカミの激痛から解放された。
周りの練習生は「スゲーッ!」と言う声や早すぎる勝敗と、皆の予想に反した結果に、声にならない者など、とにかく驚きの反応で溢れていた。
ルナもカミナが勝つと言う確信はあったが、まさに電光石火の勝敗に驚きしかなかった。
ルナの道場に来た時の乗り気じゃ無かった気分はもう消えてしまっていた。
' 今の速さ… 私でも反応出来ないかも… '
我が子の成長に感動する親の様な気持ちを感じるのはアシュ博士の意識と同化しつつあるからかも知れない。
「大丈夫か?流」
村正は流が起き上がるのを手伝いながら声を掛けた。
「… 範士… 今、俺は何をされたんですか?」
流はまだ半分放心状態だった。
「うん… お前が左構えから右足を踏み出して着地する前にな、カミナ君の右足でお前の右足を狩られてな。
それと同時にお前は右手と頭を取られて後ろにひっくり返されたんだ。
そして腕は左手と左足で抑え込まれて頭は右手で押さえ付けられたままコメカミも圧されていた様だったが… 」
「… 確かにコメカミはアイアンクローされてましたね… 」
「痛むとこはないか?」
「… いえ、大丈夫っす… 」
軽く左足の太腿を傷めていたが、それは言わなかった。
それよりも今日初めて武術の基礎を学んだだけと言う奴に瞬殺された事の方が流に取っては許されない事だった…
流は左足を少し庇いながらカミナとルナに近づいて行った。
「ルナ先輩… そいつが素人なんて嘘つかないで下さいよ!」
「流… 残念だけど、私は嘘をついてないわ」
「んなワケねーでしょ… この俺が、ド素人に瞬殺されるなんて有り得ねーでしょうが!」
ルナは返事に困った。
「流!!」
道場全体に響き渡る様なボリュームで村正が怒鳴りつけた。
道場全体が静まり返った…
何事かと他のコースの練習生が部屋の外から覗いている。
「流、お前は自分が路上で負けてもそう言うのか?世の中上には上が居るんだ。
例えそれが今日初めて武術を習った人間だとしても、天才ってのがたまに居るんだ。
それが分かっただけでも大きな勉強だ!」
流は悔しそうに黙った。
ルナは師匠に感謝した。
' 確かに完全な素人が流を素手で瞬殺するなんて有り得ないもんね…
カミナくんの正体を明かす訳にもいかないし… '
「それにしても… カミナ君。君は凄いな…
歩き方からして只者じゃないとは思っていたが…
既に三日月の歩法を使えている。君は何か他の運動をしていたんだろう?」
「あぁ… 歩くのは他の人より多く歩いてるかも知れません… 」
カミナも流を気遣いながら嘘じゃない話をした。
「そうか… 歩く事、か… いや歩く事も人間の基本とは言え奥が深いからね」
村正は妙に納得していた。
' そう言えば日本人は明治時代に西洋文化を採り入れ過ぎて良い文化を失ったって聞いた事があるわ… 歩き方もそうよね '
ルナもそんな事を思い出していた。
「カミナ君、ちょっと俺の腕を掴んで抑えてくれるか?」
そう言って村正師匠は右腕を差し出した。
カミナはルナを見て「村正範士は何をされようとしてるんですか?」と尋ねた。
ルナは笑って「範士の腕を掴んで動かない様に抑えてみろって言ってるのよ。要は力比べよ」と答えた。
カミナはフムと分かった様に村正の腕を右手でグッと抑えた。
ところが次の瞬間、カミナの身体は両足ごとフワッと浮く様に後方に押し込まれた。
「え!?」
カミナは充分抑えられるはずの力で村正の腕を握って力を入れたつもりだった。
「どうした?両手で抑えてみるかい?」
村正はニコッと微笑んでカミナに更にさぁ掴んでみろ!とばかりに腕を前に出した。
カミナは確かめる様に今度は両手でグッと村正の腕を掴んだ。
しかし次の瞬間またフワッと両足が浮いて後ろに押し込まれ、村正の腕を掴んだまま思わず後ろに倒れてしまった。
ルナはそれを楽しそうに見ている。
カミナは一体どうなっているのか分からなかった。
「どうだい?これも歩き方から出る力なんだぜ?」
村正は楽しそうにカミナを引き起こした。
「凄い!どうなってるのか分かりません!」
カミナは目を輝かせていた。
「面白れぇだろ?」
そしてカラカラと村正は笑った。
その向こうで流はカミナを睨みつけていた…
『コイツ… 殺す!』
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