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トナカイはアンティーク
「ねぇ、君。少し話しをしてくれないか?店のクリスマス飾りを見ていたらこんなことになったんだけど?人は空をあまり飛ばなから今、僕は割とびっくりして困っている。見たところ、乗り物はサンタクロースがクリスマスに乗ってプレゼントを配るソリにみえるんだけど。もちろん君はあの有名な赤鼻のトナカイかなって。どう?」
「その通りですよ。驚かせてスイマセン。ちょっと飛びたくなったんです。」
「飛びたい?」
「そう。僕、アンティークなんです。かっこよく言うと骨董品。まあ身近な庶民的さで言うと古道具ってやつです。毎年この時期になると飾って貰っているんですが、クリスマスになると飛びたいなぁ〜って。飛んであの冬の澄んだ空気、降りしきる美しい雪景色の中を駆け抜けたいなぁって。同じ仲間のサンタクロースとトナカイ達は、みんな絵本や映画館の中で飛んでいるでしょう?憧れってやつです。」
「へ〜。今まで一度も飛んだ事は、ないの?」
「ないですね〜。残念ながらこの飾り物のセットは、サンタクロースの人形が作られていないのですよ。元々作る気がなかったみたい。主のいないソリ。飛べないソリ。ちょっと切ない物語を感じさせるおもちゃでしょう?」
「それは切ないね。って切ないってどういう意味?」
実は僕はあまり学校に行ってないので、たまにわからない単語が出てくると会話に少し困るときがある。
続
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