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「ごめんなさいサトウ様。質問の詳細を聞いてもいいかしら」
「ぁ。無属性っていうのはみんなが元から持ってる物なのか、それとも炎みたいに独立した物なのかって意味、です」
無属性は僕らが産まれた頃からある属性で、中等部になると実践魔法で最初に教わる魔法。
無属性は無属性として教わってる僕らは、どう答えたらいいのかわからない。
「えっと、ごめんなさい。忘れてください」
どう言おうか迷ってると、サトウさんが顔を青くして謝った。僕もレイも慰めて、カミジョウさんも励ましてたけど効果はなかった。
「ん?おみゃーら何してん?」
文字の勉強をしてた紫ちゃんが顔を上げて聞いた。集中して聞こえてなかったみたい。
僕が説明すると眼鏡をかけて考える紫ちゃん。
「無属性について考えた事なかったから。どう説明したらいいのかわからなくて」
「んー……佐藤さんや」
「はっはい」
「酸素て見える?」
「さ、酸素?」
急な質問に固まったサトウさんは「見えません」と小さい声で答えたのを聞いた紫ちゃんは「ウチも見えーん」と笑って言う。
「え」
「酸素は無意識に吸って吐くやろ?それと一緒、こっちの人らは習いはするが、たいがいは無意識に使いこなせるんよ」
ノートの余ったページに丸を書いてそこに『無』と書く紫ちゃん。
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