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儀式はわかるが人間1人の魔力で充分なら祈る必要はないのになー。
精霊に聞いてみたら笑って答えた。
〔最初の巫女姫が祈ってたんだー〕
〔その名残と、あと祈らずに召喚してたら弱いのが来たからだねー〕
へー。
(1人分の魔力で足りてるんは?)
〔魔法陣自体に大量の魔力が込められてるんだ!〕
〔開発者が『どんな強い存在でも壊れないように』って考えて作ってたー!〕
まさかの耐久重視。それがちまちま使われてる感じか。
いろいろ聞いてたら魔法陣が光りだした。
めっさ眩しいのでフードを深くする、遮光サングラス作ればよかったー。
なんやろ、透明に白の縁取りペンみたいな魔力が出てきた。陣の文字から登るように、王女を一瞬包んだと思ったら離れて一本の巨木のように成る。
葉で茂った巨木は片手サイズの実を数個出し、それらが一斉に弾けて中の物が風に乗って木の中に仕舞われる。
次いで葉も落ち木の中に、最後は巨木の皮が剥がれ落ちるように消えていく。
〔今回の召喚一番きれー!〕
〔前は柱だったけど今回は木なんだねー!〕
(毎回違うんか?)
これは普通の人間には見えんらしい、レイルさんの部屋にあった結界と同じかねえ。
〔勇者によって違ったりするー!〕
〔だいたいが性格と似てるー!〕
それでいくなら勇者の性格は柱のように曲がらんって事になるんやが……合ってるな。
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