第1話「黒豹の領域へ」 ~ヴァンside~

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第1話「黒豹の領域へ」 ~ヴァンside~

俺達は久し振りにノーザンライツ団の船アウロラ号の前に来ていた。 「あれから2年かぁ…」 アルム兄貴が死んでから俺はアウロラ号に今まで一度も乗っていなかった。 「可能な限り原型を留めた上で整備させてもらった。機械類は全て最新型にしてあるし、サルベージ機能も出力が上り10倍の重さの物も引き揚げられるようになっている。それぞれの部屋はクリーニング済でシーツなど寝具などは取り替えさせてもらった。食堂には冷蔵庫も置いたしキッチンも最新の物にしてある」 「うわぁ…お金凄く掛かったんじゃない…僕払えるかなぁ…」 「心配するな。俺がしたくてした事だから請求などしない」 「何から何まで済まない…ラムセス」 白獅子領北極で凍てついていたアウロラ号を灰猫領の港まで持ってきてくれたのもラムセスの力によるもの。ほんと、ラムセスには頭が上がらない。 「気にしないでくれ。 俺もノーザンライツの一員なのだから」 新たにノーザンライツ団に加わったラムセスとスズ。制服も新たに作ってピッタリ似合ってる。 「さっすが王様!大好きラムセス王!」 抱き付くユリを引き剥がしながらラムセスは 「王はいらない。普通にラムセスでいい」と言う。 そういや俺、初めっからラムセスの事呼び捨てにしてたなぁ。
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