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すみませーん。そこの方。そう、あなたです。少しお時間をいただけませんか。あ、身かまえないでください。怪しい者じゃありませんよ。
申し遅れました。私、月刊『俺の仕事の流儀』のジャーナリストでして。どうぞ、これ、名刺です。
今回、『あなたがこの仕事をはじめた理由』という特集を組もうと考えておりまして。こういうのって、社長や芸術家、俳優や歌手などを対象に取材するんですが。でも、そういうのはありきたりすぎると、編集長の鶴の一言で、こうやって街行く人に声をかけてインタビューをさせてもらっているんです。
どんな記事になるかは私にもまだわかりませんが……。あ、ご安心ください、顔写真や名前は載せませんので。
ちなみに、私がジャーナリストをはじめたのは、社会の闇や声を届けたいなんてご大層な思いじゃなくて、ただ、自我が芽生えたときにはすでにこの仕事をはじめていただけなんです。まあ、天職というやつです。あ、どうでもいいですね。くだらない話をしてすみませんね。
急いでますか。大丈夫ですか。はい。ありがとうございます。ええ、手短にすませますんで。
では、ずばり聞きます。あなたがこの仕事をはじめた理由はなんですか?
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