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書庫での生活パート2
「こんなところに、閉じ込めらていたんだね。」
この声は聞き覚えがある。
「もしかしたらミカエル様ですか?」
「そうだよ。力を失ってから1か月、普段の生活にも慣れてきた頃だと思って、お嬢さんに会いに来たんだよ。」
「ありがとうございます。この書庫に閉じ込められ、1人で寂しかったので、とても嬉しいです。」
書庫に閉じ込められて、久しぶりに会話ができるで、とても嬉しかった。
「そうだったんだね。私達が力を授けたことにより、お嬢さんには、辛い思いをさせて、すまなかったね。」
「いえ、そんなことはありません。このようになったのは、悪魔との契約を断った、私の責任であります。ミカエル様達には、なんの責任もございません。それどころか、私に、力を授けにくださった恩人でございます。力を授けてくだされる時に、いかなる苦難も頑張ってのりきると、覚悟はしたはずなのに、いざ苦難が続くと、弱気になってしまう私が、悪いのでございます。」
「たしかに魔力がなくなり、魔石の色が白くなると、魔界で生きていくには、困難になるとは思っていたが、幽閉されて、隔離されるとは考えてもいなかったよ。」
ミカエル様は、申し訳なさそうに答えた。
「今日は、ここにきたのは、お嬢さんに、授けた力を完全に、使いこなせるように、修行の場を与える為にきたのだよ。」
「このような書庫の中で、修行なんて、できるのでありましょうか?」
「たしかにこの部屋では、無理というか、この世界では、無理なのです。」
「お嬢さんの魔石を、完全に浄化するまで、5年かかると説明した時に、知力以外の全ての能力がレベル1以下になり、しかもレベルを上げることもできないことは、説明したとよね。その為、この世界でいくら頑張っても、これ以上に力をつけることはできないのだよ。」
「それでしたら、どうやって修行するのですか?」
「アリエルの能力を使って、異空間エスパースを作る事にしたよ。アリエルは、あらやるものを作り出す能力を持っているんだよ。」
「アリエルが作った、エスパースには、本人自身はいけないが、魂のみ行ける世界なんだ。そこで得た力は、現実世界には反映されないが、5年後に、魔石が浄化された時、その力は開放されるんだよ」
「そうなんですね。それは助かります」
この話しは、私にとって、ありがたい話しである。修行もなしに5年後、7大天使様の力を授かっても、それを完全に、自分の力として支配するには、かなりの年月が必要になるだろう。
でもエスパースで修行すれば、5年後には、自在に力を扱える。しかもそれを扱える体力、筋力も手に入れることができるのである。
しかも話しによると、直接7大天使様から、指導を受けることができるのである。それならば、力の使い方、また応用の仕方など、いろいろアドバイスも受けることができるのである。
「そしたら明日から、毎日1人ずつ訓練に訪れるから、他の天使達ともうまくやってくれ」
そういうとミカエル様は帰って行った。
5年間書庫で1人で本を読みながら、力を授かるのを待つ生活だと覚悟をしていたけれど、天使様達が、修行をしてくれるなんて、とても嬉しかった。
明日からは、どんな修行が待ち受けているのかと考えると、嬉しくてたまらなかった。翌日、ミカエル様が私の前にあらわれた。
「昨日伝えたとおり、今日からは、毎日13時から19時までの修行を、5年間行うよ。」
修行の内容は、まず2年間は天使様の能力の勉強と基礎体力、筋力の鍛練。そして魔力操作の練習だった。
そして3年目から、実際に魔力を使った能力での特訓、そして能力の応用であった。自分なり授かった能力をいかに変化させ、自分のものにするかの訓練である。
そして最後の2年間は実戦経験だ。天使様達が、連れてきた天界に住む神獣との戦いである。そして最終試験は7代天使様とのタイマンバトルである。
私は持って生まれた戦闘センスのよさがあるみたいで、いろんなことを、スポンジのように素早く吸収していき、なおかついろいろとアレンジもしていった。
私の吸収の速さには、7大天使様も驚きの顔を隠せなかった。
「お嬢さんは、本当にすごいね。こんなにも早く、いろんなことを理解し、吸収し、扱えるようになるなんて、しかも私達の力を凌駕するほどになるとは・・・。最終試験では、私達と戦闘する事になるが、負けてしまいそうだよ。」
ミカエル様は嬉しそうに語った。
そして、運命の最終試験の日。私は天使様達のタイマンバトルにも勝利してしまうのであった。
「お嬢ちゃんは、めちゃくちゃ強くなったね」
疲れ果てた顔でラファエルは言う。
「本当は、最終試験は10歳になる2週間前に行われるはずだったのに、半年も早く最終試験を行うことになるとはね」
ミカエルは嬉しそうに言った。
「もしかしたら、私達7人と同時に戦っても、勝ってしまうのかもしれないね。」
と笑いながら、ガブリエル言った。
「その話し面白そうだ。そしたらどうだろう。10歳になる2日前に、7対1で最終決戦をおこなおうではないか。それまでの半年間は、エスパースで1人で、訓練をおこなうといい。」
「はい、ミカエル様。天使様達の指導のおかげで、私はこんなにも強くなることができました。あとの半年間は、1人で訓練をおこないます。そして、天使様達の期待に答える結果を示したいと思います。」
そして10歳をむかえる2日前、新たな最終試験がおこなわれた。私は7大天使様相手に勝利をおさめるのであった。
7大天使様達は、私が勝利したことに大変満足し、とても嬉しそうだ。
「10歳になり力を手に入れてから、お嬢さんが、どのような人生をおくるか楽しみにしているよ。」
そういうと7大天使様達は、帰って行ったのである。
この5年間私は、明後日の運命の日ために頑張った。毎日8時から13時までは本を読んで勉強していた。2年目で、魔王書庫の本は、全て読み尽くした。その為、アリエール様に頼んで、神界、人界などあらゆる世界の本を模作してもらった。
13時から19間までは、天使様の指導のもとあらゆる訓練をした。だから部屋に19時に戻った時は、ご飯は食べて、すぐに倒れるように寝る日々であった。
側から見ると、エスパースにいてるときは眠っているので、1日のほとんど寝てるように思われる。なんて怠惰な生活をしているのだと、勘違いされてもおかしくない。
最後の1年は、特にハードな毎日になった。天使様達とタイマンバトルをする事になっていたので、特訓もかなり辛いものであった。
でもそんな生活も、もうあと1日で終わる。今日は7、大天使様のバトルのあとだから、今まで1番深い眠りについた。
そして運命の10歳の誕生日の前日。私は人界へと捨てられるのであった!
なんでこうなるの?
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