MONOKURO

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会場は熱気に包まれていた。「今のどこ?!」「凄くいいバンドだったね」とMONOKUROの話題でいっぱいだった。「れいかがまたバンド始めて嬉しいねえ」とある女性は言った。ともちゃんと呼ばれる掴み所のない元気系であり、reikaの昔からのファンだ。 「ふふ・・・。空くん変わらずだったわね」と美人な女性は話す。最前列で空の前にいたファンだ。 「かれん可愛かったなぁー!愛、ハマった!かれんちゃん応援する!」元々、reikaの前バンドを応援していた愛ちゃんはお姉さんと話していた。「あら、かれんちゃんにハマったのね」とお姉さんは一時期空くんファンだった愛ちゃんが同じ人を好きじゃなくて良かったと心底感じていた。 「今のバンド良かったね!」「確かに・・・!」と女子高生2人組が話していた。「私、始めて見たんですけど凄く良かったですよね・・・!」とゴスロリと呼ばれる格好をしたギャルみたいなド金髪に背の小さい細い人が話しかけた。女子高生達は一瞬ギョッとしつつも「良かったですよねぇ」と、持ち合わせた誰とでも仲良くできるフレンドリーな性格を発揮した。「翔って言います。」とそのゴスロリギャルは言う。「しょう?しょうちゃんだぁ!仲良くしてください~」「ハイ!よろしくお願いします!」としょうちゃんは返した。この女子高生2人組は今後みんなにJKと呼ばれる事になる。 「うおぉぉおぉぉ!かれんちゃん可愛かったァ」と雄叫びを上げていたのはさっきファンサービスを受けた男2人組のうちの1人であるタカシだった。丸坊主で野球少年みたいな見た目で叫ぶので周りは避けていた。実は2人は仲良くもなく偶然隣同士になっただけであり、お互いさっきのファンサービスは自分に向けて貰ったものだと思っている。もう1人はピンクレンジャーと名乗っていた。理由はかれんちゃんがイメージカラーがピンクっぽいからというよく分からない理由だった。よくいる会社員みたいな、普通のサラリーマンだ。後にピンクレンジャー1号、2号と呼ばれる事になるが2人はまだ交わっていない。 「・・・。」無言でreikaを見つめていたのは紫苑(しおん)。紫の髪が特徴的で前髪が長くよく表情は見えないが10代であり容姿端麗で無口な男性だ。彼が喋る事はないらしい。インターネットではよく発言する、別人格並な彼だが誰も知らない。 ロリータの格好をした可愛らしい風貌でkarenを見つめていた10代の女性りりちゃんはそっと会場を去った。 「reikaと空カッコイイ~~!」と大学生に見える陽キャできっとインスタグラマーだろうなという見た目のユメカは呟いた。「私はかれんくんかな・・・。」と控えめな奈々ちゃんが言う。「ユウキくんのドラムの叩き方が好き!」とぽっちゃりした垢抜けない大学生の子は名前すら分からない。とにかく存在感がない。 「全員かっこいいー!やばみざわ!」ナオは細すぎる見た目のギャル。特に可愛い訳じゃないがよくドンキとかにいるギャルだ。 皆が目をキラキラさせながらMONOKUROについて語る。兎にも角にも初ライブは成功を匂わせていた。
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