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そもそもボーカルreikaは名古屋の僻地にある村出身だと言う。その村も集落に近い感じで地元の人達もあまり語ろうとしない。噂によると地図にも無いという村だが、年に1回祭りがありその祭りもまた謎めいていてreikaはそんな村で18歳まで過ごしていたらしい。
ドラムのユウキとギターの空も名古屋出身でreikaとは共通の先輩を通じて知り合いだった。と言うより、ユウキと空はreikaを溺愛していてもはや逆らえないといった感じなので周りは度々呆れていた。空はファッション雑誌等に出ていそうな正統派イケメン、ユウキは爽やか系なお兄さんで顔面偏差値がやたら高いバンドだなとkarenは思っていた。
karenだけは東京出身であり、まだ18歳だった。他メンバーの年齢は不詳だが、reikaと空とユウキはMONOKURO結成前に1回バンドを組んでいたらしい。2.3年前に解散したと言っていたのでkarenは特に気にとめなかったが、空とユウキに関してはkarenより10は歳が違うだろうなという確信はあった。問題はreikaだ。不老不死なんて言葉があるならこの人にピッタリじゃないか?と思える。とにかく美しい顔、時折見せる哀愁たっぷりの横顔にはkarenでさえドキッとさせられた。
karenは元々音楽学校に通うくらいベーシストとして才能があり、どこで見つけたのかreikaから「うちのバンドに入らないか」と直々にオファーされた。提示された給料が中々破格で良かったので元々音楽の道に進むつもりだったkarenは入る事にした。
karenの見た目は可愛い系の男子といったところで、reikaは女の格好をさせたがった。所謂、歌舞伎などで見かける女形というポジションだ。女装させたら女より可愛いというのもあってピッタリだ、とメンバーからもGOサインが出た。(reikaにノーと言えない空とユウキなのでそこに意思があるかと言えば謎である)
reikaこそ女形すれば僕より似合うのに、とkarenが言ってもreikaはクスッと八重歯を出して笑うだけだった。
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